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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

抗鬱薬の増量に意味はあるのか?

タブレット類
目次

気を付けて、抗うつ薬の増量

頭打ちではあるものの、抗うつ薬の売り上げは高水準を保っています。一般的なネット検索では落ち込んだ時は精神科、心療内科→薬物療法 という流れになるのが現代です。(もちろん私は賛成しませんが)

そんな私ですが、一般的な選択をした方の為の情報をお伝えしますね。

初回に抗鬱薬を処方されて効果が無かった方は、その後抗鬱薬を増量しても効果がないという研究報告です。

お薬の増量は意味ないですよ
抗うつ薬を増やすのに意味はない

多くの鬱病患者は、どこの国でも抗うつ薬単独の療法に十分に反応しない。これは日本だけじゃないんですね。そして抗うつ薬の漸増、高用量がしばしばどこの国でも行われるため、オーストリアの医科大学で二重盲検無作為比較試験のメタ解析を行いました。

1208例が抽出。薬剤の内訳はフルオキシトン448例、セルトラリン272例、パロキセチン146例、デュロキセチン255例、マプロチリン87例。

結果的に抗うつ薬を増量する方法は、

  • 標準用量を継続する療法と比べ有効ではない
  • 個々の抗うつ薬どれでも効果は変わりない
  • これは症状の度合いによっても特に差はない

著者らは「メタ解析の結果から、初回の抗うつ薬治療において標準用量で治療反応が認められない患者への抗うつ薬増量療法は、うつ病に対する一般的なエビデンスベースの治療選択肢としてみなされない」としている。

エビデンスレベル
メタ分析ですから最上級の研究なんです

原著論文はこちら
Dold M, et al. Psychother Psychosom. 2017;86:283-291.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28903107

私自身はそもそも薬は必要ないという立場

私自身はWHOの研究報告どおり、うつ病は抗鬱薬を処方しないほうが回復率は高いという立場、つまり患者さんの脳の問題ではないではなく、人生の危機に直面した時に出る人間の正常な反応という立場です。

WHOの報告によると、1年後は抗うつ薬を飲んでいないグループが一番治りがいいそうですよ。自殺念慮がない限り抗鬱薬は不要という立場です。

日本列島薬漬け

とある精神医療関係のブログから精神科医の末田耕一先生の存在を知りました。

精神科医の立場から多剤処方の問題をご指摘されています。
日本列島薬漬けという状態に懸念を抱かれているようで多くの賛同者がいらっしゃるようです。

そのような検索ワードで関連記事を探していくと、腰痛に関する抗うつ剤処方を懸念する記事も出ていました。

朝日デジタルさんの記事にも、日本整形外科学会の腰痛診療指針において抗不安薬と抗うつ剤が推奨されています。

確かに3か月以上の腰痛や肩こり、頭痛は抑鬱状態にあるのですが、現在抗鬱薬自体がプラセボより効果がなく、鬱の再発率をあげることが統計で解っています。

つまり希死念慮等なければいかなる理由であろうと抗鬱薬は避けるほうが中長期スパンでみれば避けたほうが望ましいのです。

非特異的腰痛は「原因がわからない」ということですが、ほとんどが筋膜性の腰痛です。これは触診を注意深く行わないと触れない深さの筋膜が痛んでいるのです。

うつ病や統合失調症への多剤処方をわたくしは大問題だと思っています。日本列島薬漬けはご自身の回りを見渡せばいくらでも確認できると思います。

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